2枚の絵
2枚の絵
~牧師:伊藤滋のショートメッセージ:2014年1月25日号 ~
「わたしは平安をあなたがたに残して行く。わたしの平安をあなたがたに与える。わたしが与えるのは、世が与えるようなものとは異なる」<新約聖書 ヨハネによる福音書 14章27節>
今週から教会ミニニュースとホームページに短いお話しを掲載させていただくことになりました。あまり堅苦しい内容ではなく、折りに触れて感じたことや聖書の言葉をできるだけ分かりやすく書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
アメリカで絵のコンテストがありました。「平安」というテーマの絵が募集され、たくさんの作品が集まりましたが、その中の2つの絵が最後の審査まで残りました。一枚の絵は、静かな夜の湖の絵です。森の中の湖の上に月の光が反射しています。波一つない、鏡のような美しい湖です。いかにも「平安」という感じがします。
もう一枚の絵は、一見すると平安とは程遠い絵でした。嵐の海の岩壁に大波が打ちつけています。岩壁の上に小さな鳥の巣があり、その中で親鳥の翼の下にひなが守られている、という絵でした。
この2枚の絵は、それぞれに「平安」というものをあらわしています。静かな波風一つない湖のような「平安」もあれば、嵐のただ中にあって親鳥の翼に守られた「平安」もある。イエス様が私たちに約束された「平安」は、後者のようなものであったと私は思います。神様を信じたからといって私たちの人生からすべての悩みや問題が取り去られるわけではありません。しかし、イエス様が約束された「平安」は、人生の嵐の中にあっても、すがることのできる確かなものを知っている「平安」、人間の理解を超えた絶対的な存在がいつもそば近くにいてくださるという「平安」です。波風のない静かな湖のような「平安」とは、何か問題が起きればとたんに消えてしまう「平安」でもあります。
新しい年を迎えて早くも一カ月が過ぎようとしています。この1年も私たちの身の回りには様々なことが起きることでしょう。どんな荒波の中にあっても変わることのない、イエス様が約束された「平安」を体験する1年でありたいと願っています。
セブンスデー・アドベンチスト八王子キリスト教会 牧師 伊藤 滋
※ 写真は夕暮れどきの八王子教会の十字架です。この光がイエス様の平安を伝える光となりますように。