腕をつかんでくれた人
腕をつかんでくれた人
神学科2年生の冬に牧会実習(牧師になるための教会での実習)に参加しました。
6週間という短い期間でしたが、多くの出会いがありました。
毎週月曜日に指導牧師と一緒に参加していた聖書の学びの会の最後の日、ある教会員の方から「卒業後は牧師になるんですか?」と聞かれました。
「いやあ…ぼくには無理だと思います」と私。
するとその方は、私の腕をつかんでこう言いました。
「あなたがどんなに逃げようとしたって、神様はあなたを決して離さないから覚悟していてください! あのヨナがそうだったように。」
思いがけない強い言葉に驚きました。そしてさらにビックリしたのは、自分の目から涙がこぼれ落ちて来てしばらく止まらなかったことです。
もしもゆるされるのなら、自分も牧師として働きたい。そう願いながらも、強い劣等感のゆえになかなか一歩踏み出すことができずにいた私にとってこの言葉は、「どんなに逃げようとしても私はあなたを離さないよ。」と神様から言われたように感じられ、胸が熱くなりました。
「しかしヨナは主から逃れようとして出発し、タルシシュに向かった。」
<旧約聖書・ヨナ書1章3節 新共同訳>
ヨナだけでなく、私たちも時に神様の導きから逃げ出したくなる弱さを持っています。
今週から不定期で「私が出会った人たち」というテーマで書いてみようと思います。出会いは人生を変えます。そんな尊い出会いが、まるで隠された宝のように私たちのありふれた日常の中にちりばめられています。
逃げようとする弱い私を、素晴らしい出会いを通して導き、支えてくださる神様を心から讃美します。
セブンスデー・アドベンチスト八王子キリスト教会 牧師:伊藤 滋